
Fraser suite Akasaka Tokyo
2020.11.30
2020.08.11

-アシスタントデザイナー
試用期間(3カ月)、社員登用を決定
履歴書・ポートフォリオ
正社員
※入社後最大3カ月の試用期間があります。
そのあいだの雇用形態は【パート・アルバイト】となります。
当社が手掛けるのは、照明デザインのコンサルティング業務。
入社後は、デザイナーのアシスタントからスタートして、経験を積んでいただきます。

社内の照明デザイナーは、シニアデザイナー・デザイナー・アシスタントデザイナーの3つに分かれています。クライアントと打ち合わせを行い、プロジェクトのコンセプトを固めるのは真にあデザイナーの仕事。その後、デザイナーが照明デザイン図を作成。施主へプレゼンテーションを行います。アシスタントデザイナーはデザイナーの下で業務のサポートを行い、仕事の流れを覚えます。
東京
基本10:00-19:00 フレックス制度
年1回(業績による)
年1回(実績による)
通勤手当
週休2日制(土・日・祝日)
夏季休暇、冬季休暇(年末年始休暇)、年次有給休暇
社会保険完備
20~35万円(経験・能力などを考慮し、当社規定により支給)
試用期間は、18~22万円(要相談)
1年目:アシスタントデザイナー / 240~300万円
3年目:デザイナー / 300~500万円
5年目:ディレクター / 500~800万円
8年目:アソシエート / 800万円~
ご希望の方は、下記の応募書類をメールもしくは郵送にてご送付下さい。
お送り頂きましたものに関しましては、返送できませんのでご了承下さい。
現在募集している職種の中からご応募下さい。
書類選考を通過された方のみ、こちらから書類到着後1~2週間以内にご連絡させて頂きます。
スタッフ採用の流れに関しましては、通常以下の通りとなります。
書類選考→面接→入社テスト→実務トライアル・試用期間 (3ヶ月/交通費及び業務に応じた報酬支給あり)→スタッフ
郵送の場合は下記の住所までお送りください。
株式会社ワークテクト
〒106-0044
東京都港区東麻布2-26-7 第二松坂ビル
WORKTECHT&Co. JAPAN
Dai2 Matsuzaka Bldg, Higashiazabu 2-26-7 Minato-ku, Tokyo, 106-0044 Japan T +81.3.5575.0977 F +81.3.5575.0978
メールの場合は下記のメールアドレスまでお送りください。
2020.05.26

日本有数の港町、横浜。異国情緒とレトロな風情があふれるこの街に新たなシンボルが誕生しました。その名も「インターコンチネンタル横浜Pier 8」です。ホテルと商業施設を併設した、横浜の新たなシンボルとなるこの建物の照明は、私たちWORKTECHT & Co.が手掛けました。
照明デザインを担当したのは、WORKTECHT & Co.の台湾支社代表も務めるショーン。埠頭という特徴的な立地を活かし「海のリズム」をコンセプトに作られたPier 8の照明や、船舶の航行や季節に合わせてさまざまな色味へと変化し、見るたびに新しい発見と感動を与えてくれます。
ショーンが最もこだわったのが、ホテルの入り口からフロントロビーへと続く螺旋階段。ホテルの顔と言っても過言ではないフロントロビーですが、そこへ至るまでの道に味がなければ、訪れる人の気持ちを大きく盛り上げることはできません。施設に一歩足を踏み入れた瞬間から、非日常が訪れたという感動を味わってもらうため、優しくてあたたかく、さらには動きのある光で演出を施しました。有機的で、波のようにうねる螺旋階段は、大きなインパクトを与えてくれることでしょう。またフロントロビーのある2階部分にも流線型の螺旋階段要素を盛り込み、全体につながりを持たせています。
竣工日:2019 / 9
場所:神奈川県横浜
オーナー:株式会社 T・Y ホールディングス
アーキテクト:株式会社 梓設計
インテリアデザイン:株式会社 日建スペースデザイン
ランドスケープデザイン:株式会社 戸田芳樹風景計画
施工者:五洋建設 株式会社
写真撮影:沖 裕之 (Blue Hours)
2020.03.01

2019年3月12日、原宿に誕生した世界最大級の常設型スマホブランドショーケース「Galaxy Harajuku」。地下1階から6階の各フロアにはショールームや体験ブースが設けられ、Galaxyを五感で楽しめる仕掛けとなっています。
Galaxy Harajukuのデザインコンセプトは「未来に旅をする」。館内照明を手がけたWORKTECHT & CO.のアソシエートディレクター・ショーンは、色温度やトンマナを合わせることで各フロアのテーマを違和感なく共存させました。
館内に足を踏み入れるとまず目に飛び込んでくるのは、エントランスを大きく斜めに横断する光のラインです。未来のトンネルをイメージした照明で奥行きを表現することで、これから始まる体験への期待感を醸成します。
2階のショールームや地下1階の購入ブースは商品を目立たせるよう、全面発光ライトを活用した明るい空間に。開放的な気分で最新鋭のスマートフォンを閲覧することができます。
3階から6階にはVTやスーパースローモーションカメラといった最先端技術を体験できるブースが設けられています。体験に集中できるよう、照明に余白を持たせてしろと黒のコントラストが際立つ未来的な世界観に仕上げました。
各フロアをつなぐエスカレーターにも意匠がつまっています。光の残像をコンセプトに、足元に光を配置して天井に鏡を配置することで、まるで異世界へと導かれるかのような空間となっています。




2020.01.06

新年、あけましておめでとうございます。
昨年中は皆さまに大変お世話になり、心より御礼申し上げます。
2020年、私たちは設立当初より用いていたWORKTECHT Corporationという社名を捨て去り、WORKTECHT & Co.として、新しい一歩を踏み出します。
情報技術の発達や人々の価値観の醸成など、目まぐるしく変化する現代社会において、私たちが光と影を通して提供できる価値は何なのか。
古の昔より、人々の生活とともにあった蝋燭の灯りや灯台の灯りなど、変わらない価値・変えるべきではない価値がある一方で、新しい時代だからこそ必要とされる灯りも確かに存在するはずです。
伝統を受け継ぎながら、私たちにしかできない方法で、光と影の世界にイノベーションを起こしていく。
新しい社名には、灯りの<過去>と<未来>を繋ぐ存在として、確固たる存在感を示すという決意が込められています。
新しく生まれ変わった私たちに、これからもぜひご期待ください。
2019.07.25

概要:
Venice Design 2019は1895年から、イタリアのヴェネツィアで開催されている、「美術のオリンピック」とも称される、Biennale di Veneziaの中で、最大の権威と規模を誇るデザイン展です。
今回、LOOGは照明デザイン企業であるワークテクトを中心に、ビジュアルアーティストNAMIKO KITAURA、LOOGメンバー、インテリア業界のデザイナー、ものづくりたちと一緒に、初めてのVENICE DESIGN 2019への出展を果たしました。数年前より、「アートをビジネスに、そして照明とのコラボレーション」をテーマとして、様々なアプローチを積極的に展開してきたLOOG。メンバーたちとの初のコラボ・プロジェクトは、イタリアのヴェネツィアから世界に向けて発信します。会場となったPalazzo Michielは、ヴェネツィア中心部の大運河に面した歴史的建造物。レンガの外壁と木造の天井、そして石の床という、まさに中世イタリアを代表するかのような佇まいが特徴です。中世のアートと、現代のアートが互い違いに干渉し、溶け合う。そんな独特な雰囲気を持った特別な空間が、そこにありました。


Venice Design 2019 is the biggest design exhibition part of Biennale di Venezia, called the “Olympics of Art” and has been held in Venice, Italy since 1895, which is also proudly known as the most authoritative and largest scale art exhibition in the world.LOOG successfully held its first exhibition at VENICE DESIGN, thanks to the collaborative efforts of participants from various creative industries. At the end of 2018, lighting design and consultant company Worktecht proposed the idea to visual artist NAMIKO KITAURA, members of LOOG, as well as designers and manufacturers from the interior design industry, who quickly formed a team to bring the project to life. LOOG has been actively developing several approaches to light design with the concept “connecting art to business and lighting.” With this first collaborative project, it has now broadcast its message and appeal from Venice to the world.

開催期間:2019/5/11~2019/11/24
時間:10:00~18:00(休:火曜日)
公式サイト:https://ecc-italy.eu/exhibitions/2019venicedesign
BIOMBO HP: anita3631.wixsite.com

Exhibited period:2019/5/11~2019/11/24
Time:10:00~18:00(Closed: Tue)
Official site:https://ecc-italy.eu/exhibitions/2019venicedesign
BIOMBO HP: anita3631.wixsite.com
2019.03.29

ホテルや商業空間の依頼が多いワークテクトにとって、一般のユーザーから直接の依頼を受けることは、めずらしい。
ある日、代表の金田から「広尾のセンスある、ブレンドショップの照明リノベーションを引き受けた」と社内で話題になりました。興味が湧き、そのブレンドショップ「piccolo grande / ピッコロ グランデ」のオーナー加藤夫妻にコンタクトを取ることに。
開店して21年が経つというピッコロ・グランデは、イタリア製の服や小物の輸入及び、イタリア製の生地でつくるスーツのオーダーを承るお店。着心地がよく、デザイン性の高いイタリアの服飾を提供している加藤さんたちにとって、生地の風合い、生地の色をお客さんに正確に伝えるためにも、照明の存在が重要です。今回、照明のプロに依頼した経緯、照明リノベーションをする前と、その後の効果、そして年に2回は買い付けで行かれるというイタリアと日本の光環境で感じる違いになどについてお聞きしました。



Q1: 今回、照明のリノベーションをしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか ?
A : 以前、ハロゲンを使っていたのですが、LEDに替えようとした時、光のバラツキがあったりしてなかなか良いLEDがなくて悩んでいたのです。その時、顧客でもあるカンデザインの鈴木さんが、「光の綺麗なLEDがありますよ」と言ってくれたことを思い出し、お願いしてみようと思ったんです。
Q2: 照明のプロが調整に入る前の状況はどうでしたか ?
A : 最初に、業者さんに今回選択したSoraaのLEDに変えてもらいました。その直後は、光は綺麗な気がしましたが、ちょっと落ち着かなく、これでいいのだろうか ? と正直感じていました 。
Q3: では、照明のプロの調整が入った後はいかがでしたか ?
A : それまでは、店を経営する自分たちが一番照明の当て方がわかっていると思っていました。しかし、今回、ワークテクトの金田さんに「お客さんが店に入って来た時に、感じる光の向きの印象があります。それを考えた方が良いですよ」というアドバイスをもらい、一から光の向きや位置を調整してもらったんです。すると、劇的に雰囲気が変わり全くその前の印象と違うことを実感しました。これだけ違いが出ることを知って、照明のプロの方の必要性があるということが理解できました。
Q4: このリノベーションした紫色LED Soraa の光をどのように感じていますか ?
A : 私たちは、オーダースーツを承ることもあり、生地のサンプルをお客様に見てもらって進めます。これまでの照明は生地の色がわかりにくく、自然光の下で見てもらわないと決められなかったのですが、今回のSoraaのLEDに変えたら自然光に近い見え方ができるので、とても助かっています。
Q5: 買い付けに行かれているイタリアと日本との光環境の違いについて、感じることはありますか ?
A : イタリアは、街並みも含め全体的に暖色系の光が多く、程よい暗さがあって雰囲気がとても良く感じます。日本は、服の展示会などに行くと白っぽくて空間全体を明るくしていることが多く、向こうで見た洋服と同じものでも全く違うもののように見えます。私たちは、イタリアで見て感じたイメージをお店でも再現したいと思っていますので、光もイタリアで見たときと同じように見える環境だと良いと思っています。
Q6: 一番心地よく感じる光はありますか ? それは例えばどのような光でしょうか ?
A : 海が好きなので、燦々と降り注ぐ太陽の光は大好きです。そして、イタリアに行った時に感じる、適度にメリハリのあるナチュラルな光と陰のバランスも好きです。
石などから伝わってくる冷たさと、光の温かい色みの対比が優しく、そういうところもイタリアの光の魅力です。
加藤さんの、お話しを聞いていると、まるで一緒にイタリアに行っているような気分になりました。形がよく、質感がいい洋服やいつまででも使える小物は、実際に手にとって見ると、直に、その上質さが伝わってきます。いい空間の中で、素敵なものに囲まれた、贅沢なひと時でした。
Mr. & Ms. Kato, Thank you very much!

場所:広尾piccolo grande
インタビュイー:オーナーの加藤さん夫妻
インタビュアー:Worktecht ・アニータ
インタビュー・サポート:Lighting & Dishes ・谷田
2018.12.25

2018年8月に開業した、ハイアット リージェンシー
瀬良垣アイランド 沖縄 は、沖縄本島の有数の
リゾート地域、恩納村に位置します。
今回、ワークテクトは、共用エリア、レストラン、客室、
スパなど施設内全体の照明デザインを担当しました。
このプロジェクトに関わる、事業主の東急不動産株式会社 、
インテリアデザインを担当した有限会社
橋本夕紀夫デザインスタジオ(HYDS) 、
オペレーターであるハイアットリージェンシー
瀬良垣 アイランド 沖縄、それぞれにインタビューを
施行しました。その各ポジションの”光・照明”、”インテリアデザイン”
ホテル環境”についての考えを紹介していきます。
URL: https://www.hyatt.com/ja-JP/hotel/japan/hyatt-regency-seragaki-island-okinawa/okaro
写真:Jimmy Cohrssen


ハイアットリージェンシー 瀬良垣アイランド
沖縄 プロジェクト: Lighting Design の視点から、
リゾートホテルの環境つくりについて
【自然光と人工光がつくる特別な時間】
( W: 株式会社ワークテクト , SHR : ハイアット リージェンシー 瀬良垣アイランド 沖縄 )
W: 開業されて、ゲストの皆さんの反応はいかがですか?
SHR : 自然光が充分に入ってくる開放感ある
ロビーラウンジ、沖縄の美しいロケーションも
相まってこのホテルらしい雰囲気をつくっていると
思います。ゲストの方々にはホテルに入ってきた
瞬間から、リラックスできる雰囲気を
感じてもらえているようです。
W: 照明についてはどのように感じていますか?
SHR : インテリアのコンセプトに『移ろい』という
キーワードがあります。これを象徴するような
雰囲気を体感できるのがロビーラウンジ。
朝、昼、夕方、夜と変化する光と影の強弱が
時間の流れを現しています。自然光と照明に
よる間接光が、館内にいながら自然光の下で
1日を過ごしているような気分をもたらしてくれます。
W: このホテルの中で、オススメのポイント、他のホテルとは違うところはありますか?
SHR : ハイアット リージェンシーの
コンセプト【コネクト】。ゲスト同士のつながり。
沖縄の文化や風土とのつながり。外と内の融合で
創りだすボーダーレスな雰囲気が、ハイアット
リージェンシー 瀬良垣アイランド沖縄にはあります。
また、他のホテルでは体験できない【ウェルネス】を
中心に広がっていくアクティヴィティプログラム、
スパなどの充実した施設。自然光の中で、
日常の忙しさから離れ、エネルギーチャージができます。
W: 他に、”光”という点で、感じるところなどありますか
SHR : 客室から、日の出、日の入りの美しい景色を
見ることができます。特に、日の入りの時刻の瞬間は
祈りたくなるような美しさがあります。存在として
意識する光ではなく、空気のように空間を上手く
演出していく照明の光。人々の緊張感をほどき、
安らかな気持ちを与えていると思います。
都会とは違うロケーション、リゾートならではの
雰囲気を訪れるゲストに味わってもらいたい
という思いが伝わってきました。
そこに自然光、照明、両方の光の存在も
エネルギーチャージの要素だと理解されています。
2018.11.28


物件概要
2018年8月に開業した、ハイアット リージェンシー
瀬良垣アイランド 沖縄 は、沖縄本島の有数の
リゾート地域、恩納村に位置します。
今回、ワークテクトは、共用エリア、レストラン、客室、
スパなど施設内全体の照明デザインを担当しました。
このプロジェクトに関わる、事業主の東急不動産株式会社 、
インテリアデザインを担当した有限会社
橋本夕紀夫デザインスタジオ(HYDS) 、
オペレーターであるハイアットリージェンシー
瀬良垣 アイランド 沖縄、それぞれにインタビューを
施行しました。その各ポジションの”光・照明”、”インテリアデザイン”
ホテル環境”についての考えを紹介していきます。
URL: https://www.hyatt.com/ja-JP/hotel/japan/hyatt-regency-seragaki-island-okinawa/okaro
写真:Jimmy Cohrssen

ハイアットリージェンシー 瀬良垣アイランド
沖縄 プロジェクト: Lighting Design の視点から、
リゾートホテルの環境つくりについて
橋本由紀夫デザインスタジオ
【光とともに移ろう時をデザイン】
( W : 株式会社ワークテクト , H : 有限会社 橋本夕紀夫デザインスタジオ)
W: 橋本さんのデザインに対する向き合い方、スタイルを教えてください。
H: ケースバイケースですが、プロジェクトの
概要を聞き、最初からデザインを提案する場合と、
ディスカッションを繰り返しながらデザインを提案
していくという二通りがありますが、ほぼ後者の
スタイルが多いです。依頼主のやりたいことを聞き出し、
コンセプトをつくっていく。そのコンセプトを共有し、
そして一緒に考えていくという感覚が大事だと思っています。
W: ホテルデザインについて、シティホテル、リゾートホテルの違い。そしてホテルブランドによってデザインのスタイルは違ってきますか
H: 基本的には、シティホテルもリゾートホテルも
機能面などでは同じだと思います。リゾートの方が
滞在時間が長いので、よりホテルライフを楽しんで
もらえる、ディスティネーションになるような
ものにした方が良いと思っています。
ホテルブランドが違えば、そのブランドのア
イデンティティを一から読み込み、デザイン
としてはゼロからつくり込むものとして捉えています。
W:「移ろい」というデザインのテーマについて、具体的にどんなイメージだったのでしょう
H: 風になびくカーテンのヴィジュアルがあり、
その”風”のイメージが先ずありました。
木漏れ日の光と影、1日の変化、四季の変化
などが自然に感じられる、そんなホテルに
したいと思って「移ろい」という
テーマを提案しました。
W: 沖縄の土地に根ざした素材をインテリアに採用していることについて教えてください.
H: 琉球石灰岩、琉球ガラス、グスクなど
様々なエリアに取り入れました。そして、他には
ないと思って使ったのがウージ染めです。
サトウキビを原料につくられる染物で、
その若葉色の鮮やかさが印象的でした。
客室のアートワークに採用し、
沖縄の自然を肌で感じてもらえる一つかと思っています。
W: 照明デザインについて、今回はどのような考え、イメージで進められましたか、そして照明に対して求めるものは何でしょうか
H: ホテルの顔でもあるロビーラウンジでは
形が全部違う木のフレームを施し、”光と影を
つくるキューブ”をテーマに意匠照明器具にも
表しました。時間とともに移りゆく光の形、
流れを人工照明でも表現したかったのです。
照明演出は、ドラマテックなものと自然に表現
していくものがあると思います。特に今回は、
自然に表現すること、ライティングしていること
さえ忘れるようなイメージで、直接的な光を抑え、
間接光をメインにしたいとワークテクトさんとも
話し合っていきました。建築・インテリア・照明は
一体のもの。コンセプト共有が大事だと思って
いますので、今回も、最初の段階から一緒に
対話しながら決めていきました。ちょっと
最近の光体験のことをお話ししますと、
訪れたアメリカ フォートワースにあるキンベル美術館。
まるで光と物質がピタッと融合しているかのように、
”あの光でないとあの建築ではない”と
思わせるような印象がありました。このような光を
切り口に空間をつくっていっても良いと思っています。
私たちインテリアデザインをする側は光の
イメージを持ち、それを照明デザインに実現してもらう。
これから、ますます大事なことではないでしょうか。
“建築・インテリア・照明”は一体であり、コンセプト共有が大事だということが強く伝わってきました。
2018.11.28

物件概要
2018年8月に開業した、ハイアット リージェンシー
瀬良垣アイランド 沖縄 は、沖縄本島の有数のリゾート
地域、恩納村に位置します。
今回、ワークテクトは、共用エリア、レストラン、客室、
スパなど施設内全体の照明デザインを担当しました。
このプロジェクトに関わる、事業主の東急不動産株式会社
、インテリアデザインを担当した有限会社 橋本夕紀夫
デザインスタジオ(HYDS) 、オペレーターである
ハイアットリージェンシー 瀬良垣 アイランド 沖縄、
それぞれにインタビューを施行しました。
その各ポジションの”光・照明”、”インテリアデザイン”
ホテル環境”についての考えを紹介していきます。
URL: https://www.hyatt.com/ja-JP/hotel/japan/hyatt-regency-seragaki-island-okinawa/okaro
写真:Jimmy Cohrssen

ハイアットリージェンシー 瀬良垣アイランド
沖縄 プロジェクト:Lighting Design の視点から、
リゾートホテルの環境つくりについて
東急不動産株式会社
【一緒につくるクオリティ】
( W : 株式会社ワークテクト , T: 東急不動産株式会社 )
W:今回のプロジェクトについて、完成までの経緯を教えてください
T: 土地買収から完成まで12年という長いプロジェクト
でした。震災など様々な状況の影響もあり途中進行が
止まった時もありました。その後、観光という視点では
海外から日本に対して決してよくない
イメージがありつつも、逆に観光立国として盛り上げて
いかなければいけないという国の動きもあり、
その波に乗らなければいけないとも思いました。
そしてなんとか工事着工し進めていくことができ、
今年2018年、8月に開業を迎えました。
W: “ホテル” というプロジェクトに関してどのようなコンセプト、どのような考えを持っていますか
T: 「まちづくり」という5文字を大事にしています。
それは東急不動産のDNAであり事業理念でもあります。
ものづくりの原点として、如何にまちに溶け込み貢献
できるか、そしてその場所の自然環境と調和・共生
していけるかを考えていますので、今回も沖縄の
素晴らしい自然環境を取り込んだ建物にすることを
第一に考えました。そのために具体化してくれる
照明デザイン、インテリアデザインの方々に、
アイディアを出していってもらいました。
W : ハイアット リージェンシーというホテルブランドに対してはどのような印象をお持ちですか?
T : ハイアット リージェンシーさんは、
とても柔軟な姿勢でした。東急不動産と同じく、
その土地に根付いてどのようなサービスをゲストに
提供できるかを考えているブランドです。
コンセプトに”Connect〜もの・人・地域全てと
つながる”ということを持っていて、
私たちの事業方針にも親和性を感じ、
考え方の共有ができていました。
W: 照明デザイン、インテリアデザインにどのようなことを求めましたか?
T: ホテルオペレーション及びコスト、クオリティのことも
重要視しなければいけない視点も現実的にありますので、
ディスカッションを対等に重ねていきました。
ホテルは長く続いていくもの。機能面を大事に考える
ことが、まず最初にあります。なのでデザイン重視に
ならないようにと思っていますが、
それでも訪れるゲストにサプライズも提供したい。
ある意味、飛び抜けたようなインテリアデザインも
期待したりするのです。もちろん、それが実現するように
照明デザインがサポートしていく役割も
あると思っています。沖縄独特の素材を使うにしても、
そのままではなく進化していくことを求め、
沖縄らしさをモダンに、新旧融合の
ようなイメージでという希望は出していきました。
W: 完成前にイメージしていたのと、完成後と違いや感想はありましたか?
T: 出来上がったものにはとても満足しているんです。
胸を張って伝えられる自信があります。
それは、関係した人たちみんなでつくったという
感覚が強くあるからです。出来上がったホテルの
完成度の高さにハイアットの方々は非常に
驚いていて、開業後はゲストの方々の評価も高く、
クオリティの高いものをつくることが
できたと思っています。
W:ワークテクトの照明デザインについてはいかがでしたか?
T: 工学的で、経験に基づいた照明デザイン、
信頼がおける提案をしてもらえたと思っています。
機能面からもサポートしてくれるエンジニアであり
コンサルタント。緻密に計画された照明デザインだと
感じています。このホテルには、このような演出が
あった方が良いとか、外資系のホテルにはこの要素が必要、
などのように柔軟でフレキシブルな提案をしてもらいました。
より良くしていく、発展させていくスピーディさ
というのを感じ、機能と意匠も同時に考えられていて
センスとクオリティの高いと感じました。
W: 照明演出という部分で、特に印象的な部分はありますか。
T: 計画策定→仕様変更→施工調整→検査確認の全てに
深く携わることができ、事業主としても貴重な体験と
なりました。もし、ゲストやオペレーションから意見が
あっても、きちんと説明し対応できる自信があります。
スパ施設でも、ゲストの立場になり、人の動きを考えた
照明の提案をしてくれて、その辺も印象深かったです。
事業主が考える、ホテル環境つくり。
大事なのは、対等にディスカッションしていき、
土地に根ざしたものづくりということが印象的でした。