2019.03.29

piccolo grande

ホテルや商業空間の依頼が多いワークテクトにとって、一般のユーザーから直接の依頼を受けることは、めずらしい。
ある日、代表の金田から「広尾のセンスある、ブレンドショップの照明リノベーションを引き受けた」と社内で話題になりました。興味が湧き、そのブレンドショップ「piccolo grande / ピッコロ グランデ」のオーナー加藤夫妻にコンタクトを取ることに。

開店して21年が経つというピッコロ・グランデは、イタリア製の服や小物の輸入及び、イタリア製の生地でつくるスーツのオーダーを承るお店。着心地がよく、デザイン性の高いイタリアの服飾を提供している加藤さんたちにとって、生地の風合い、生地の色をお客さんに正確に伝えるためにも、照明の存在が重要です。今回、照明のプロに依頼した経緯、照明リノベーションをする前と、その後の効果、そして年に2回は買い付けで行かれるというイタリアと日本の光環境で感じる違いになどについてお聞きしました。





Q1: 今回、照明のリノベーションをしようと思ったきっかけは何だったのでしょうか ?
A : 以前、ハロゲンを使っていたのですが、LEDに替えようとした時、光のバラツキがあったりしてなかなか良いLEDがなくて悩んでいたのです。その時、顧客でもあるカンデザインの鈴木さんが、「光の綺麗なLEDがありますよ」と言ってくれたことを思い出し、お願いしてみようと思ったんです。

Q2: 照明のプロが調整に入る前の状況はどうでしたか ?
A : 最初に、業者さんに今回選択したSoraaのLEDに変えてもらいました。その直後は、光は綺麗な気がしましたが、ちょっと落ち着かなく、これでいいのだろうか ? と正直感じていました 。

Q3: では、照明のプロの調整が入った後はいかがでしたか ?
A : それまでは、店を経営する自分たちが一番照明の当て方がわかっていると思っていました。しかし、今回、ワークテクトの金田さんに「お客さんが店に入って来た時に、感じる光の向きの印象があります。それを考えた方が良いですよ」というアドバイスをもらい、一から光の向きや位置を調整してもらったんです。すると、劇的に雰囲気が変わり全くその前の印象と違うことを実感しました。これだけ違いが出ることを知って、照明のプロの方の必要性があるということが理解できました。

Q4: このリノベーションした紫色LED Soraa の光をどのように感じていますか ?
A : 私たちは、オーダースーツを承ることもあり、生地のサンプルをお客様に見てもらって進めます。これまでの照明は生地の色がわかりにくく、自然光の下で見てもらわないと決められなかったのですが、今回のSoraaのLEDに変えたら自然光に近い見え方ができるので、とても助かっています。

Q5: 買い付けに行かれているイタリアと日本との光環境の違いについて、感じることはありますか ?
A : イタリアは、街並みも含め全体的に暖色系の光が多く、程よい暗さがあって雰囲気がとても良く感じます。日本は、服の展示会などに行くと白っぽくて空間全体を明るくしていることが多く、向こうで見た洋服と同じものでも全く違うもののように見えます。私たちは、イタリアで見て感じたイメージをお店でも再現したいと思っていますので、光もイタリアで見たときと同じように見える環境だと良いと思っています。

Q6: 一番心地よく感じる光はありますか ? それは例えばどのような光でしょうか ?
A : 海が好きなので、燦々と降り注ぐ太陽の光は大好きです。そして、イタリアに行った時に感じる、適度にメリハリのあるナチュラルな光と陰のバランスも好きです。
石などから伝わってくる冷たさと、光の温かい色みの対比が優しく、そういうところもイタリアの光の魅力です。

加藤さんの、お話しを聞いていると、まるで一緒にイタリアに行っているような気分になりました。形がよく、質感がいい洋服やいつまででも使える小物は、実際に手にとって見ると、直に、その上質さが伝わってきます。いい空間の中で、素敵なものに囲まれた、贅沢なひと時でした。
Mr. & Ms. Kato, Thank you very much!



場所:広尾piccolo grande
インタビュイー:オーナーの加藤さん夫妻
インタビュアー:Worktecht ・アニータ
インタビュー・サポート:Lighting & Dishes ・谷田

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