物件概要
2018年8月に開業した、ハイアット リージェンシー
瀬良垣アイランド 沖縄 は、沖縄本島の有数のリゾート
地域、恩納村に位置します。
今回、ワークテクトは、共用エリア、レストラン、客室、
スパなど施設内全体の照明デザインを担当しました。
このプロジェクトに関わる、事業主の東急不動産株式会社
、インテリアデザインを担当した有限会社 橋本夕紀夫
デザインスタジオ(HYDS) 、オペレーターである
ハイアットリージェンシー 瀬良垣 アイランド 沖縄、
それぞれにインタビューを施行しました。
その各ポジションの”光・照明”、”インテリアデザイン”
ホテル環境”についての考えを紹介していきます。
URL: https://www.hyatt.com/ja-JP/hotel/japan/hyatt-regency-seragaki-island-okinawa/okaro
写真:Jimmy Cohrssen
ハイアットリージェンシー 瀬良垣アイランド
沖縄 プロジェクト:Lighting Design の視点から、
リゾートホテルの環境つくりについて
東急不動産株式会社
【一緒につくるクオリティ】
( W : 株式会社ワークテクト , T: 東急不動産株式会社 )
W:今回のプロジェクトについて、完成までの経緯を教えてください
T: 土地買収から完成まで12年という長いプロジェクト
でした。震災など様々な状況の影響もあり途中進行が
止まった時もありました。その後、観光という視点では
海外から日本に対して決してよくない
イメージがありつつも、逆に観光立国として盛り上げて
いかなければいけないという国の動きもあり、
その波に乗らなければいけないとも思いました。
そしてなんとか工事着工し進めていくことができ、
今年2018年、8月に開業を迎えました。
W: “ホテル” というプロジェクトに関してどのようなコンセプト、どのような考えを持っていますか
T: 「まちづくり」という5文字を大事にしています。
それは東急不動産のDNAであり事業理念でもあります。
ものづくりの原点として、如何にまちに溶け込み貢献
できるか、そしてその場所の自然環境と調和・共生
していけるかを考えていますので、今回も沖縄の
素晴らしい自然環境を取り込んだ建物にすることを
第一に考えました。そのために具体化してくれる
照明デザイン、インテリアデザインの方々に、
アイディアを出していってもらいました。
W : ハイアット リージェンシーというホテルブランドに対してはどのような印象をお持ちですか?
T : ハイアット リージェンシーさんは、
とても柔軟な姿勢でした。東急不動産と同じく、
その土地に根付いてどのようなサービスをゲストに
提供できるかを考えているブランドです。
コンセプトに”Connect〜もの・人・地域全てと
つながる”ということを持っていて、
私たちの事業方針にも親和性を感じ、
考え方の共有ができていました。
W: 照明デザイン、インテリアデザインにどのようなことを求めましたか?
T: ホテルオペレーション及びコスト、クオリティのことも
重要視しなければいけない視点も現実的にありますので、
ディスカッションを対等に重ねていきました。
ホテルは長く続いていくもの。機能面を大事に考える
ことが、まず最初にあります。なのでデザイン重視に
ならないようにと思っていますが、
それでも訪れるゲストにサプライズも提供したい。
ある意味、飛び抜けたようなインテリアデザインも
期待したりするのです。もちろん、それが実現するように
照明デザインがサポートしていく役割も
あると思っています。沖縄独特の素材を使うにしても、
そのままではなく進化していくことを求め、
沖縄らしさをモダンに、新旧融合の
ようなイメージでという希望は出していきました。
W: 完成前にイメージしていたのと、完成後と違いや感想はありましたか?
T: 出来上がったものにはとても満足しているんです。
胸を張って伝えられる自信があります。
それは、関係した人たちみんなでつくったという
感覚が強くあるからです。出来上がったホテルの
完成度の高さにハイアットの方々は非常に
驚いていて、開業後はゲストの方々の評価も高く、
クオリティの高いものをつくることが
できたと思っています。
W:ワークテクトの照明デザインについてはいかがでしたか?
T: 工学的で、経験に基づいた照明デザイン、
信頼がおける提案をしてもらえたと思っています。
機能面からもサポートしてくれるエンジニアであり
コンサルタント。緻密に計画された照明デザインだと
感じています。このホテルには、このような演出が
あった方が良いとか、外資系のホテルにはこの要素が必要、
などのように柔軟でフレキシブルな提案をしてもらいました。
より良くしていく、発展させていくスピーディさ
というのを感じ、機能と意匠も同時に考えられていて
センスとクオリティの高いと感じました。
W: 照明演出という部分で、特に印象的な部分はありますか。
T: 計画策定→仕様変更→施工調整→検査確認の全てに
深く携わることができ、事業主としても貴重な体験と
なりました。もし、ゲストやオペレーションから意見が
あっても、きちんと説明し対応できる自信があります。
スパ施設でも、ゲストの立場になり、人の動きを考えた
照明の提案をしてくれて、その辺も印象深かったです。
事業主が考える、ホテル環境つくり。
大事なのは、対等にディスカッションしていき、
土地に根ざしたものづくりということが印象的でした。